民法改正② 共有物の変更・管理についての改正

芦屋 打出 司法書士 相続

こんにちは、芦屋のうちで法務事務所 代表司法書士の向井亜希子です。
少し冷え込んだりしていますが、季節の変わり目、みなさま体調等大丈夫でしょうか。

本日は、前回に引き続き、民法改正のご紹介をしていきます。


【ざっくり解説】
これまで、共有物に何かする際は、共有者全員の同意や、過半数の同意が必要で、なかなか返事してくれない共有者がいたり、そもそも共有者の中に所在不明者がいたりすると、「全員」「過半数」が満たせなくて、その土地について何もできない→荒れ放題!みたいな状態をどうすることもできませんでした。それでは、周りの人も困ってしまいます。そこで、共有物に何かすることを、比較的容易にできる方向に民法が改正されます。

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では、共有についての改正の中から、主要なところを説明していきます。

共有変更・管理についての見直し

共有物とはその文字のとおり、複数人で共有している物のことですが、これまでの民法では、原則として、

変更するには、共有者全員の同意が必要でした。
(管理なら過半数、保存行為は単独)

共有物に軽微な変更を加える場合であっても、共有者全員の同意を得なければならないとなると、円滑な利用・管理が阻害されてしまっていました。

今回の改正で、共有物に変更を加える行為であっても、形状又は効用の著しい変更を伴わないもの(軽微変更)については、持分の価格の過半数で決定できることが定められました。(民法251条1項、252条1項)

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また、賃借権等の設定について、「長期間の賃貸借」には全員同意が必要、とされていたのですが、「長期間」の判断基準が明確でなかったことから、実務上、慎重を期して全員同意を得ることが多く、円滑な土地利用を阻害していました。

今回の改正で、持分の過半数で決定することができる、短期の賃借権等の範囲を明確にしました。(民法252条4項)

持分の過半数で決定できる短期の賃借権等の範囲は以下のとおりです。

(1) 樹木の植栽又は伐採を目的とする山林の賃借権等 / 10年
(2) (1)に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等 / 5年
(3) 建物の賃借権等 / 3年
(4) 動産の賃借権等 / 6か月

賛否を明らかにしない共有者がいる場合の管理についての変更

旧民法では、共有物について、明確な返答をしない共有者がいる場合に、共有物の管理が困難となる問題がありました。
共有物の管理がされないと、周囲の治安などにも影響しますし、不利益を生んでしまいますよね。

今回の改正では、賛否を明らかにしない共有者がいる場合に、裁判所の決定を得て、その共有者以外の共有者の持分の過半数により、管理に関する事項を決定できる制度が創設されました。(民法252条2項2号)

明確な返答をしない共有者以外の人たちで、管理に関する事項を決められるようになったということです。裁判所の決定が必要ではありますが、活用できそうな改正ですね!

所在等不明共有者がいる場合の変更・管理についての変更

旧民法では、所在等不明共有者がいる場合には、その所在等不明共有者の同意を得ることができないため、共有物に変更を加えることができず、また、所在等不明共有者以外の共有者の持分が過半数に及ばないケースなどでは、管理についての決定もできませんでした。

今回の改正により、所在等不明共有者がいる場合には、裁判所の決定を得て

・ 所在等不明共有者以外の共有者全員の同意により、共有物に変更を加えること
・ 所在等不明共有者以外の共有者の持分の過半数により、管理に関する事項を決定すること

ができる制度が創設されました。(民法251条2項、252条2項1号)

以前のブログにも書きましたが、相続登記がされていなかったり、住所変更登記がされていなかったりで、所有者不明土地は、今や九州の面積にも匹敵すると言われています。

そんな所有者不明土地が隣地にあって、荒れ放題でも、今までどうしようもなかったのが、解決の道筋が見えてきたかんじですね。

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共有関係を解消しやすくする仕組みの創設

共有関係を解消しやすくするための改正もあります。

旧民法では、共有者の中に所在等不明共有者がいる場合、共有物分割訴訟等の裁判手続を行えない場合もあり、共有を解消することが非常に困難でした。

今回の改正では、共有者が他の共有者を知ることができないとき・その所在を知ることができないときは、裁判所に申し立てた共有者(以下「申立共有者」)に所在等不明共有者の持分を取得させられる裁判をすることができる制度が創設されました。
申立共有者が2人以上の場合は、各共有者に所在不明等共有者の持ち分を、共有者の持ち分に応じて分割して取得させることとなります(262条の2)

共有者の中に所在等不明共有者がいる場合、他の共有者が共有物件の売却等の処分を希望するときには、裁判所が申立共有者に所在等不明共有者の持分を譲渡する権限を付与できる制度も創設されました。(民法262条の3)

まとめ

いかがでしたか。

共有関係で困られている方は、以前、専門家に相談して「解決が難しい」と言われていても、今回の改正で対応可能になっているかもしれないので、ぜひ再度、専門家に相談してみてくださいね!

次回も引き続き、民法改正について紹介していきます。

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