相続登記しないまま時間が経過すると…

うちで法務事務所 司法書士 向井亜希子 相続

 こんにちは、芦屋のうちで法務事務所 代表司法書士の向井亜希子です。
前回のブログでは相続登記の義務化について書きました。

相続登記が義務化されます

今回は、相続登記をしないまま時間が経過するとどんなことが起こるのか、説明していきます。

相続人が20人!?

 平成の初め頃(今から30年くらい前ですね)発生した相続の登記を依頼されることはそう珍しい話ではありません。今、60代くらいの方が、亡くなられたお父様の不動産を売却しようとしたら、名義がその一代前(お父様のお父様、つまり依頼人のおじいさま)になっていた、ようなイメージです。
※不動産を売却する場合、その前提として相続登記をして、名義変更をする必要があります

 この場合、相続人は何人くらいになるでしょうか。
不動産の名義人であるおじいさまにこどもが3人、その3人と配偶者はすでになくなっていて、それぞれに子どもが2人ずつ、という例でみてみましょう。

芦屋うちで法務事務所 司法書士 向井亜希子 相続

この場合、相続人は6人です。
いとこ6人で遺産分割協議をする、ということになります。

なんだ、6人くらいか、と思われたかもしれませんが、実際やってみるとこれが結構大変です。
たとえば、次の例を考えてみてください。

仕事がとても忙しいあなたのところに、子供のころ会ったきりのいとこから連絡がきました。
『先日亡くなった親父の土地を売ろうと思ったら、おじいさんの名義のままになっていたから、名義変更をしなくてはならない。そのために、書類を送るので、すぐ、実印で押印をして、印鑑証明と一緒に送り返してほしい。』
ところが、あなたは印鑑登録をしていないため、市役所にいって印鑑登録をしなければ、そのいとこの要望には応えられません。

すぐに、とても忙しい仕事をなんとか休んで、いとこのために市役所に行きますか?

協力はしてあげたいけど、ちょっと今は忙しくてなかなか市役所にいけない、という方も多いのではないでしょうか。

これはほんの一例ですが、6人のいとこ間で遺産分割協議をする、ということでもなかなかスムーズに進まないことは本当によくあります。
ちなみに、このパターンで集めなければいけない戸籍は平均で30~40通くらいになります。
これだけの数になると、戸籍を集めるのに1か月以上かかる場合も少なくありません。

では、これがもう一世代進むとどうでしょう。
孫たち6人にそれぞれこどもが2人ずついたら、相続人は12人。
さらにもう一世代進むと、相続人は24人。
そしてこのころになると、相続人同士はお互い会ったこともない、という遠い関係になっています。
遺産分割協議がますます困難になることは想像がつきますね。

相続をしないまま時が経過すればするほど、相続人がねずみ算的に増え、手続きが煩雑になってしまうのです。

芦屋うちで法務事務所 司法書士 向井亜希子 相続

時が経過するうちに、相続人が認知症になってしまったら

 父が亡くなって10年後、認知症の進んだ母を介護施設に入居させる費用を確保するために、あなたは亡き父名義の実家を売ることにしました。

まず、不動産を売るためには相続登記をして、名義変更をしなければなりません。

芦屋うちで法務事務所 司法書士 向井亜希子 相続

遺産分割協議の成立には意思能力が必要になります。
意思能力とは自分の行為の意味や結果を判断することができる精神能力のことで、認知症が進んで、意思能力がない状態になってしまうと、遺産分割協議をしても無効になってしまいます。

10年のあいだに、相続人であるお母さんは認知症が進み、意思能力がない状態です。
遺産分割協議を成立させるには、お母さんに、成年後見人を選任し、代理人として、遺産分割協議に参加してもらう必要があります。


まず、選任手続きに費用も時間もかかります。
その上、成年後見人を選任して遺産分割協議を行ったとしても、その後、実家を売却できなるとは限りません。(詳しくは成年後見についてブログを書く際にご説明します)

相続登記を放置すればするほど、相続人の認知能力が衰える可能性は高くなります。
そうなると、遺産分割協議を成立させるために手間も費用もかかる上、そこまで手間暇かけたのに、結果として実家を売れない、という可能性まで生じてしまうのです。

いかがでしたか?

 相続登記をせずに放置していると起こりえる、代表的なパターンをあげてみました。
他にも、相続人が失踪してしまうこともありますし、代が進むうちに未成年が相続人に含まれるかもしれません。
いずれも、手続きが煩雑になり、時間も費用もかさんでしまう原因となります。

いらぬ手間と費用をかけないためにも、相続が発生したらなるべく早く、相続登記をすることをお勧めします。
※相続税との関係もあり、10か月以内の遺産分割協議成立が望ましい

次回ブログでは、相続登記の具体的な流れを説明していきます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お問い合わせ先(うちで法務事務所 司法書士 向井亜希子)

電話:0797-90-2747

メール:info@uchide-legal.com

LINE:https://lin.ee/yybDVdf ※QRコードからも友達登録可能です

ご相談はこちら

相続、終活など個人の方から商業登記のことまでご相談ください。