こんにちは、芦屋のうちで法務事務所 代表司法書士の向井亜希子です。
本日、「相続土地国庫帰属制度」がスタートしました!
法務省:相続土地国庫帰属制度について (moj.go.jp)
相続や遺言などで譲り渡された土地を、一定の条件を満たした上で、負担金を(原則20万円)支払えば国に引き取ってもらうことができる制度です。
土地に建物が建っていないことや、地中にものが埋まっていないことなどが条件となりますが、農地や森林も引き取り可能です。
一定の条件、というのがなかなか厳しいので、その条件を満たせるなら、負担金を出してまで国に引き取ってもらわなくても、売れるんじゃないか…?
と現時点では専門家のあいだでも、懐疑的な見方もある制度ではあるのですが、実際どのように運用されていくのかに注目です。
一定の条件とは
①帰属できない土地
- 建物が存在する土地
- 担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
- 他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれる土地
- 特定有害物質により汚染されている土地
- 境界が不明確な土地や所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
②ケースごとに判断される土地
- 崖がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
- 通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木などがある土地
- 除去しなければ管理又は処分をすることができない有体物が地下にある土地
- 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地として政令で定めるもの
- その他通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地として政令で定めるもの
まとめ
条件は厳しいものの、相続したけれど、管理が大変で手放したい、でも売れない…といった土地だけを手放すことができる、という選択肢が増えたのは大きなメリットだと言えます。
(これまでは、相続放棄ですべての財産を放棄するか、相続したからには管理し続けなければなりませんでした。管理する、ということは、当然、その土地の管理不足で誰かがケガをしたりしたら責任問題にもなります。)
相続したけれど、管理できなくて困っている土地をお持ちの方はお気軽にご相談くださいね!
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