【よくある質問】認知症になったら家を売れない?

芦屋 打出 相続 司法書士

こんにちは、芦屋のうちで法務事務所 代表司法書士の向井亜希子です。
本日はよくある質問に答えていきます。

芦屋 打出 相続 司法書士

「認知症になったら」「売れない」というのは正しくありません。

正しくいうと「意思能力がなかったら」「後見人をつけないと売れない」ということになります。

意思能力ってなに?誰が決めるの?

意思能力=契約等の意味を理解し,判断する能力 です。

認知症を発症していても、程度の差によって、意思能力の有無は異なります。

そして、意思能力があるかないかを判定するのは司法書士なのです。

司法書士が本人と面談をして、「意思能力がある」と判定すればOK、認知症でも問題なく家を売却することができます。
医師ではなく、判定するのは司法書士…というのは少し驚きですよね。


むかーしむかしは、意思能力がなくても、推定相続人全員が「売る」といえば売れていた(意思能力あり、ということにして売っていた)時代もあるらしいのですが、今は倫理規定が厳しくなっており、そんなことをする司法書士はいなくなっているはずです。

不動産の売買において、何より大切なことの一つが【人の意思】なのです。

「認知症の方でも諦めないで!ウチなら売れます!」という広告

認知症に強い不動産屋です!

とうたった広告、見たことありませんか?

「意思能力」がなければ売れないはずなのに、
「認知症に強い不動産屋」なら売れるってどういうこと…?
って思いますよね。

「意思能力がない」と見えても、実は意思ははっきりしていて、体が動かないだけで、
よーく見ると、かすかに動く指で意思表示はできる、というようなケースもあります。
そのようなとき、
「あ、これは意思能力ないですね」というか、
「なんとか意思疎通を!」といってねばるのか、
という差は司法書士によって存在するでしょう。


「認知症に強い不動産屋」だと、なんとかして意思をくみ取ろうとする司法書士を連れてきてくれる可能性が高いと思われます。

また、認知症の方は意思能力にムラがあることがあるので、良い方にムラがでる状態を辛抱強く待ち、意思確認ができる瞬間を探すパターンもあります。

いずれにせよ、
不動産の持ち主から「売る意思」がきちんと感じられれば問題ないのですが、
中には、
「一瞬しっかりしたことにすれば売れますよ。売価は世間相場より安くなりますが、他で売れないことを思えば安くても売った方が良いですよ」
というようなことを言ってくる不動産屋も存在します。
(「認知症に強い~」とうたってる業者のごく一部です。きちんとした業者さんがほとんどではありますが、一部にそういうこともあります、と読み取ってくださいね)

意思能力がなかったら家を売るのは諦めるしかない?

その場合、後見人をたてることで売却することができます。(できない場合もあり)
ただし、後見人を立てることにより、デメリットもあります。

後見人については、次回のブログで詳しく説明しますが、ざっくりいうと

☑申立て費用がかかる
☑後見人は家庭裁判所が選ぶので、親族がなれるとは限らない
☑後見人への報酬が発生する
☑後見人をたてた上で、家を売っても良いか、家庭裁判所に申立てをする必要があり、許可が下りない可能性もある

などのデメリットが考えられます。

急いで売る必要がないのであれば、家の持ち主が亡くなった後、
相続人が売却する方が手続きが簡単な場合が多いので、
「持ち主が健在のあいだは売却しない」という判断もひとつの方法です。

また、意思能力・認知能力がなくなる前に公正証書を作成しておくことで
上記のデメリットを解決することもできます。

「老後、生きている間に不動産を売却したい」と考えるなら、
事前に対策をしておいた方が、結果として手間もお金もかからない可能性が高いのです。

多くの方が、入院保険や生命保険に入って「もしものとき」に備えられているかと思いますが、
同じように、
公正証書をあらかじめ作っておいて「もしものとき」に備えられている方は少ないです。

次回以降のブログで、どのような公正証書を作れば良いのか?ということを説明していきますので、
ぜひご覧ください。

まとめ

認知症の方の不動産を売りたいときは、まず司法書士へのご相談をお勧めします。
その方に意思能力があるかを判断するのは司法書士だからです。

その上で、必要に応じて後見の申立てをしていくことになるのですが、後見にはデメリットもあるので、できれば、認知症になる前に、公正証書を作って対策しておくと安心です。

芦屋 打出 相続 司法書士

後見や、公正証書についての説明は次回以降のブログで。

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